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住みかへの思い

住みかを造る者の思い

数か月前、
進行性難病の為車椅子の生活をするお母さんをケア施設から家に連れて帰りたいので家をなおしたい。というお話がありました。
古い家で段差も多いい住宅の一部を改装する事に話が進みました。柱と屋根はそのままで…と言う計画で間取り打合せを進め、5月、取り壊しが始まりました。

柱と梁、屋根の下地、土台をそのまま利用するため気を付けながら大工が解体して行きました。

と、と、ところが~!!壊し始めると基礎が…あいたた!!この基礎じゃダメだわ!!
と言う事で改装部分を全部(もちろん基礎まで)取り壊し、更地にしました。


実は…

当初、若夫婦は取り壊すつもりでいたのです。でも、何十年も前に建てたお祖父さんが
「おれが建てた家を壊すのか!!」ととてもお怒りになりリフォームと言う形になったのです。

よくあるお話です。

でも、家も歳をとります。思いは強くても無理な物は無理なのです。
押し切る事も出来たでしょうが、人の気持ちの整理はなかなか簡単につくものではありません。

早く家をきれいにしたい。自分たちの空間に作りなおしたい。
と言う若い人たちと、

自分が自分の家族の為に頑張って建てた家。
子供たちの成長とともに、家族の思い出の舞台となったこの家。
それを壊す事は
自分の人生の一部がそぎ取られる思い。


それがどんなに辛いものなのか…。
これは人生を沢山重ねてきた人しかわからない事でしょう。(私もまだ語れないが)

重要文化財になるような建物じゃなくても
私達を守ってくれる家は家族の成長とともに歴史を刻んでいるのです。
どんな小さくて貧弱な家でも。私達の家だから…。

そう、どんな人にも自分の生きてきた人生を無碍にされる権利はないのです。
そんな思いが凄く明快にわかるのが『カールじいさんの空飛ぶ家』でした。
偏屈じいさんと思われているカールじいさんは皆の心の中に住んでると思うのです。

そんな思いを我慢したり諦めることにより心の整理をする事ではない。
そうではなく、ちゃんと納得し、前に進むことに未来があり夢があるのです。

家を建てたり、今の自分たちの生活に合うように直したりする事は
とても大切な事です。

現状の生活の「住みか」で満足している場合はそれは考えない事ですからね。

家を建てる。とか、修繕、改装、改築する。と言う事は
生活に不便であったり満足していないという思いがあり、これから良くしていきたいという願望があるからなのです。(これには生活環境も含まれます。)

とてもメンタル的な要素が含まれる問題なのです。

家族、一人一人の気持ちを置き去りに、これに取り組む事は出来ません。
心を置き去りにした家造りは何らかの崩壊につながるのです。
家造りは心のケアなのです。

長い時間を共にする家を大切に考えて行く事が
家造りに携わる者の使命だと思えてなりません。





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プロフィール

関根 仁子(Masako Sekine) 

Author:関根 仁子(Masako Sekine) 
はじめまして。
建築が好きで美しいものが好きで美味しいものが好きで…。

好きな物に囲まれた場所をここに作ろうと思います。

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